コットンボーイ
コットンボーイ

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1 プロローグ 2 初舞台だぜ! 3 涙と笑顔 4 速攻ゲット 5 ルームメイト 6 告白
7 訪問者 8 再会 9 2番目同士 10 涙のわけはいつも 11ホスト 12 復活 1エピローグ

●●●
5 ルームメイト

 そして、今日も彼女は失恋したと言って、店に来た。
「今度の男はどんなヤツだったの?」
「うーんとね、板前さん♪
でも、まだ見習いなんだけどね」
自分をフった男の話を楽しそうにしている。
「そうなんだ………」
「うん!」
最初は楽しそうに飲んでいた佳織ちゃんなのに、2本目のボトルが半分く
らいになった頃には、様子が変わっていた。
「…いい加減、真面目につき合わなくちゃだよねぇ」
彼女がすぐにフラれるのは、和美ちゃんの言ってる通り、佳織ちゃん自身
に問題があるように思える。
 自分でもわかっていたんだ。
「いつまでも、引きずるのは身体に悪い!
と、思わない?」
何のことを言ってるのか、わからないけれど、オレはうなずいた。
「いっそ、誰も私の事を知らない遠い所へでも行こうかな?」
…………………。
オレには、彼女のこの気持ちがよくわかった。

小さな村では、離婚したニュースはすぐに伝わった。
オレだけが悪いわけでもないのに、村の連中は男のオレを目の敵にして、
元嫁に同情をしている。それでも、ただ千尋の側にいたいって気持ちだけ
で、村にいたけれど、離婚の条件をきちんと話し合った時に出されたのが、
千尋に2度と会わない事。千尋が成人するまでの養育費を払う事の二つだった。
 千尋に会えないのに、あんな村にオレは一秒だって居たくなかった。
周りの冷たい視線。
会えないのに、入ってくる千尋の成長。
そのすべてからオレは逃げ出したかった。
「じゃあ、オレと逃避行でもする?」
「あはは!いいね、それ!」
半分本気で言ったのに、彼女はジョークで笑い飛ばしてしまう。
会話はいつも彼女のペース。
深刻になるような話題でも、彼女は笑いながら軽く喋ってしまう。
  きっと、彼氏と喋る時もこんな感じなんだろう。真面目に告白をしよう
とすればはぐらかされてしまって、いつまでも信頼関係が築けないような、
佳織ちゃんの心の奥に触れられないような疎外感に浸透されてしまう。
 実際、彼女は軽く人とつき合って、本気で好きになる前にその恋を終わ
らせているようにも見える。
 恋愛に臆病なくせに、男がいないと生きていけないような、そんな感覚
なんだろうか?
「じゃあ、早速今からトリップしますか?」
「何?変なクスリでも飲まされそうな話題になってるし」
「違うって!!アルコールトリップ!
ルージュではドラッグ禁止ですよ、お客さん」
ってか、マジで彼女何かやってそうな気がしてきた。
チェンジが踊らせてもらってるクラブでは、かなりのドラッグが蔓延して
るみたいだし、ミクロのメンバーがそれに関与してるって噂も聞いていた。
 弱い人間ほど、ドラッグにはまると思うけど、彼女もその一人なんだろ
か?
「直樹くん、今すっごく不信な目で私を見てるよっ!
コイツ、ドラッグしてんのか?って聞きたいんでしょ?」
なんでバレたんだろう?
オレって、そんなすぐ顔に出るのかな?
京介さんにも同じ事言われたし………。
「ちょっとだけ、思いました」
いくら否定しても無駄だろうし、素直に認めるしかないよな。
でも、どうしてオレが考えてる事がそんなに筒抜け状態になるんだ?
「あはは!ダメじゃん。
嘘でも違うよって言わなきゃ、ホストなんだから♪」
結局、確信には触れない当たり障りのない会話。
彼女がドラッグをしてるのか、どうかはなぞのまま会話は終わってしまう。
 毎回このパターンだ。
上っ面だけのつき合い。
もちろん、客とホストだからそれでいいのだろう。
でも、こんなの違う。
人間として、何かが違う。
オレが彼女を救う事はできないのか?
何から逃げているのか、半端な恋愛しかできない彼女を、オレが助ける事
は不可能なのだろうか?
コレは、恋愛じゃなくて、人間として、そう人間として当然の感情じゃな
いのだろうか?
「佳織ちゃん、お願いがあるんだけど…」
そう、彼女がオレにどんな接客を望んでいるかなんて知らないけど、オレ
は彼女と踏み込んだつき合いをしたい。
もっと、ちゃんと本音を話せるような相手になりたい。
「どうしたの?いきなり真面目モードになっちゃって」
以前、彼女をアフターに誘った時はきっぱりと断られたけど、今回は断ら
れたくない!
ここを突破しないと、彼女とのつき合いに進展なんてないんだから。
「今日、店終わってから時間取れないかな?
色々と、話がしたいんだ。
もちろん、営業だと思われるかもしれないけど、そんなつもりは全くなく
て、あくまでオレからのお願いなんだ」
嘘とか偽りとか、適当とかごまかしとかそんなんじゃなくて、オレは彼女
と一人の人間として対等につき合いがしたい。
ホストと客じゃなく………。
「せっぱ詰まってるの?
ボトル、下ろそうか?」
「だから、接客じゃなくて、お願いだって言ってるだろ?
店は関係なくて、佳織ちゃんとちゃんと話がしたいんだ!」
どう説明したらわかってもらえるのだろうか?
彼女に、オレも一人の人間だと。
ホストとしてじゃなくて、一人の人間だと。
「何か、重大ニュースでもあるのかな?
わかった。店終わったら電話して、この辺にいるから」
ニュースなんてあるわけがない。
でも、とりあえずは店外で彼女とアポが取れた。それだけで良かった。


店を出ながら電話をかけると、彼女は近くの茶店にいた。
「お疲れ様」
「ああ、今日はごめんな、こんな時間までつき合わせて」
「大丈夫!どうせ家帰っても寝るだけだったんだし」
ニコニコと笑顔を崩さない彼女。
いつも、ほとんど笑顔ばかり見てきた。
失恋話をするときも、そんなに悲しそうな顔はしないで、まるで友達の話で
もするかのように喋っている。
なのに、オレは彼女の泣き顔が脳裏に張り付いて離れない。
大きな瞳から、ボロボロとおしげもなく涙をポロポロとこぼす彼女の表情。
あんなに女の涙が綺麗だと思ったのは初めてだった。
「オレ、ちゃんと佳織ちゃんとつき合いがしたい。もちろん、恋愛じゃな
くて、友達としてなんだけど」
もう、駆け引きとかしても、彼女にはすべてを見抜かれているような気が
して、オレは素直に気持ちを伝える事にした。
「はぁ?友達って、ホストと客が友達になるの?色恋営業でつき合おうっ
て言われるより、変に生々しいんだけど」
「だから、何度も言ってるけど別に営業じゃないって!!
そんな営業したいとも思わない。
ただ、純粋に佳織ちゃんと友達になりたいだけなんだ。
オレ、コッチで親しい友人ってほとんどいなくて、だから色々と相談とか
乗ってくれたらうれしいなって思うんだ」
「あはは、何か面白いかも!
ホストと友達するのって♪
全然OKだよ」
いつもの軽いノリで笑っている。
彼女にとって、おれと友達をするのも、楽しい事の一つにすぎないんだろ
う。
そりゃ、あんだけ男のサイクルが早いんだから、男友達だってそうとうな
数いるのは安易に想像がつく。
でも、オレがなりたいのはそんな上辺だけのつき合いじゃなくて、もっと
ちゃんと信頼できる友情だ。
彼女にそのつもりがなくても、オレはもう彼女が心配で仕方がない。
 きっと、恋愛感情とは違う。
そう、ただの友情。
「じゃあさ、早速お願いがあるんだけど、いいかな?」
「何何?」
「オレ、寮を出ようと思ってるんだけど、この辺でいい不動産屋って知っ
てる?」
佳織ちゃんは、少し驚いたように目を開いた。
「ホントに?私も今のマンションから引っ越ししようと思ってるんだ。一
緒に不動産回りする?」
そういや、今はワンルームだから手狭だとか言ってた気がする。
結局、そのまま二人で朝から不動産巡りをして、お互いが気に入る物件を
探した。
でも、やっぱりいいなって思う所は家賃が高かったり、値段が納得しても
部屋の感覚とか立地条件とかが気に入らなかったりと、かなり大変だった。
何件もマンションを回って、そろそろ夕方近くになった頃、やっと1件い
いなと思える所に辿りついた。
「「ここ、いい!!」」
え?
オレは、つい佳織ちゃんを見た。
今、二人でハモってしまったセリフ。
お互いに散々、探し歩いてやっと見つけた物件を、二人とも気に入ってし
まった。
「直樹くんの方が急いでるんだよね?
だったら、今回は譲るよ」
「いや、でも元々は佳織ちゃんが不動産紹介店を教えてくれたんだから、
佳織ちゃんが住むべきだよ」
「そんなこと気にしなくていいから」
「でも、ダメだって」
朝からあんなに探して、やっと見つけた貴重な一件をそんな簡単にオレに
譲っちゃだめだ。 お互い、ひくにひけない状態なのか、譲り合いばかり
してる二人に不動産やさんのお兄さんが業を煮やしたのか一言。
「二人で住めば?どうせ恋人どうしなんでしょ?」
……………。
この言葉に、オレと佳織は顔を見合わせて笑ってしまった。
「恋人に見えるんだ?
でも、じゃあ他にいい所見つかるまで、私が同居させてもらうってのは?」
な、なんでそうなるんだ?
佳織ちゃんの意外な提案にオレの心臓は潰れるかと思うくらいビックリして
しま
った。
「以前からシェアリングって面白そうって思ってたのよ」
ニコニコといつもの調子で笑う彼女。
「でも、男と女が一緒に住むのは…」
古い人間なんだろうか?
どうも、世間体が気になってしまう。
「今朝友達しようって言ったばっかりじゃん。
友達なら一緒に住んでも変じゃないと思うよ」
そうなんだろうか?
ホントにそうなのか?
友達と言っても男と女だぞ、一緒に生活してもいいのか?
「じゃあ、そういう事で契約しましょうか。
ココは人気の物件だからすぐに売れてしまいますよ」
「そうですよねぇ、3LDKで共益費込みの9万5千円!しかも西側に大
きなテラス。
最高だよね。直樹くん、早くサインした方がいいよ」
なんか、トントン拍子に話を進められてる気もしなくはないけど、確かに
二人の言う通りこの物件はかなりの好条件。
みすみす逃すのは、すごくもったいない。
名前を書いて捺印をした。
「支払いはキャッシュでお願いします」
頭金や保証金を払うために、今までためておいた預金を崩しに銀行まで行
った。
事前に聞いていた振り込み先に、お金を入れると契約は成立した。
「かなり簡単なんだな。部屋借りるのって」
もっと、色々と大変だと思ってたのに。
「え?大変なのはここからだよ。
この部屋がセカンドルームとかなら、わざわざ必要ないけど、住民票移し
たり、免許の書き換えとか通帳とかもそうだし、当分は役所通いだね、頑
張ってね。」
ああ、そうか。
部屋を借りるだけなら、簡単なんだ。
お金払えばそれでOKだけど、生活するとなると、色々とあるってわけだ。
うわぁ、面倒だな。
コッチに来てから、何もしてなかった。
今までは寮だったけど、田舎から住民票も移さなきゃいけないんだ?
ついでに、籍も抜いてもらって本籍もコッチにしようかな?
でないと、免許更新の時とか楽だし。
「あれ、佳織ちゃんはどうするの?」
「家が近くだからそのまま。
私、仕事前に少し寝たいから帰るわね」
そう言えばもう、4時。
これから、寝るって………。
確か佳織ちゃんは7時に入らなきゃ、遅刻になっちゃうんじゃ?
「間に合うの?」
「ん、今から6時まで寝て8時からエレベーター同伴してもらうは」
エレベーター同伴???
「何、それ?」
「普通の同伴って、一緒にご飯食べてから来店って形で、8時までに入れ
ばいい事になってるんだけど、遅刻ギリギリの時とかはお客さんに甘えち
ゃうの。
ご飯は一緒にできないけど、エレベータの下。店の近くで8時前に待ち合
わせして、一緒に来店するだけってヤツね。
同伴が重なる時とか、よく使ったりしてるよ、ホストも」
ふ〜ん、そんな手があるんだ。
確かに、本来の同伴は客に対するサービスの一環だけど、エレベーター同
伴は逆にホステスの為って感じだな。
色々あるんだ………。
「じゃ、またね」
「あっ、今日は結局オレにつき合わせた形になってしまって、ごめんな。」
「そんな気にしなくていいよ」
「でも…」
多分、エレベーター同伴ってのは客に借りを作る事になるから、相応のお
返しも必要になって来るんじゃないのか?
「私も部屋が見つかったわけだし、お互い様っしょ?」


  オレと佳織ちゃんの奇妙な同居が始まった。
と言っても、彼女は夕方5時くらいから同伴やら、美容院やらで部屋を出
て、帰宅するのは夜の12時過ぎ。
オレは10時からルージュに出勤して、帰宅するのは明け方の6時以降。
さすがにこんな時間に帰ると佳織はもう寝ていて、オレが寝てる間に彼女
が出勤してしまう、すれ違いの3日が過ぎた。

 ただ、一つ疑問に思うのは彼女、ちゃんとご飯食べてるんだろうか?
オレはコンビニ弁当を買って食ってるけど、彼女が何かご飯らしきものを
食べた形跡が見当たらない。
 自分の弁当を買うついでに、彼女の分もかって、リビングのテーブルの
上に置いた。
オレの部屋の隣は物置みたいになっている部屋があって、さらにその隣が
佳織ちゃんの部屋になっていた。
そして、その3つの部屋と玄関で囲むようにリビングがある。
リビングとバス・トイレは共用にしてあるから、弁当と一緒に手紙でも置
いておけば、帰って来た時に気づいてくれるだろう。
オレは自分の分だけ弁当を食べて、シャワーを浴びた。
シャンプー・リンスはバスが狭くなるから共同で使う事になって、佳織ち
ゃんのお気に入りのブランドで統一されていた。
確かに、今まで使っていたモノより、髪質がよくなったような気がする。
ブローもしやすい。
スーツに着替えて、時計を見た。
9時半を針が刺している。
やべ、ソロソロ出なきゃ遅刻しちゃう。
ルージュって、遅刻と無断欠席には特別うるさくて、罰金が高い!
1時間遅刻ごとに、罰金2千円。
当日欠勤で罰金1万。無断欠勤で罰金3万。
罰金なんか払ってたら、養育費の支払いが出来なくなってしまう………。
焦る気持ちで家を出た。
新しく借りたマンションは、繁華街からすぐ近くで、徒歩10分で店に着
く。
だけど、オレみたいな新人ホストは開店時間より早くに出勤して、掃除を
しなければならない。
「おはようございます!」
夜なのに、おはようって変な感じなんだけど、この業界じゃ普通らしくて、
みんながおはようって言っている。
店内は、もう新人ホストや人気のないホストたちが掃除をしていた。
  やべっ!
オレも急いでしなきゃ。

こんな日に限って、客って早くから来るから皮肉だよな。
しかもオレはヘルプ周りばっかだし。
 だけど、佳織ちゃんと一緒に生活するようになってからのオレは、なん
だか運がついていた。
相変わらず指名は少ないんだけど、数人だけオレを気に入ってくれる客が
増えた。
そんな人が来店すると、必ず場内指名をくれる。
指名してるホストが休みだったりすると、最初から指名してくれたりと、
まるでおさがりみたいな指名だけど、今のオレにとっては十分うれしい。

 そんな仕事に満足して帰ると、佳織はまだ起きていた。
 部屋に入るとむせ返る程のアルコールの匂い。
「佳織、ちゃん?」
テーブルにうつむせに眠っているのだろうか?動かない。
散乱しているビールの空き缶を拾いながら、彼女をどうやって部屋へ運ぶ
かを考えていると、突然携帯がメロディを奏でている。
「………ん?」
ムクリと顔を上げて、まだ眠いのだろう目をバシバシとしばたかせながら
携帯を覗き込んだ彼女の目は、見る見る間にしっかりと開いていった。
「………」
鳴り続ける携帯を見つめたまま、出ようとしない彼女。
 やっと、音楽が停まると、ホッと息をついてから、佳織ちゃんはオレに
気が付いた。
「あっ!直樹くんお帰り〜〜〜〜!
お弁当ありがとね、おいしかった♪
御礼に、ビールおごってあげる〜〜〜」
千鳥足で冷蔵庫からビールを取り出すと、オレの返事も待たずにプルタブ
をひく。
そして、再び彼女の携帯が鳴った。
「電話、出ないの?」
「あっごめん、うるさいよね。」
そう言うと、マナーボタンを押した。
とりあえず音はしなくなったものの、着信を告げる光は繰り返してる。
「…………いや、別に」
寝起きにもかかわらず、彼女は自分の分もビールを空けてグビリと勢いよ
く飲んだ。
「う〜〜〜ん、おいしい♪」
「何かあった?」
「べっつにぃ」
「ホントに?」
自分が潰れるくらいまで飲むのは、たいてい何かがあるからだ。
ホントは、何があったんだろうか?
「直樹」
え?
ドキリとした。
呼び捨てで、彼女に呼ばれたのは初めてだったから。
客の中には、何人も呼び捨てされていたけれど、彼女はいつも「くん」を
付けていたのに、急に呼ばれると、妙にドキドキしてしまう。
「エッチしたくない?」
はぁ?
ドキドキしている心臓は、壊れてしまいそうだ。
どこをどうすれば、そんな話になるんだろうか?
酔ってるからなのか、目を潤ませてテーブルから乗り出すように話しかけ
ているから、シャツの胸元からはしっかりと谷間まで見えてしまう。
「…………」
どう、返事をすればいいのだろうか?
さっぱりわからない。
戸惑っているオレを、佳織ちゃんはNOの返事だと思ったのか、頬を膨ら
ませて、拗ねてしまった。
「いいよ、もう。
ちょっと出かけてくるね」
え?
出かけるって、こんな早朝から?
「足フラフラじゃん」
一生懸命立って、ドアまで歩こうとしてるのに、トテトテと小刻みにしか
進まない。
「放っておいてよっ!
抱く根性もないくせに!」
誰か、他の男の所へでも行くつもりなんだろうか?
そして、抱かれる??
 誰でも、いいのかよっ?
「オレじゃなくても、いいのかよ?」
「何が?」
「抱いてくれるなら、誰でもいいのか?」
フラフラと立ったまま揺れている彼女は、瞳までも揺らしながら、オレを
ジッと見て、鮮やかな微笑みを作った。
笑顔と言うよりも、誘惑する女の顔だ。
「ばかじゃないの?
直樹には関係ないでしょ。役立たず」
なんでオレが役立たずと言われなきゃならないんだ?
さっぱりわかんねぇ。
「抱いてやるよ、ソレが望みなんだろ?」
もう、キレた!
好きとか嫌いとか、そんなのどうでもいい。
ここまで言われたら、やってやる!!







2004-2005©白雪姫-hime-