| :: MENU :: | |||||
| 1 プロローグ | 2 運命の再会 | 3消せない記録 | 4 元サヤ | 5たった一言 | 6 客OR彼女? |
| 7 合い鍵 |
8 料理上手に床上手 |
9 言いたくないの |
10 未来予想図 |
11 壊裂する恋 |
12 | | |||||
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次の日、出勤する前に壊してしまった電話の機種変をした。 メモリーカードは無事だったので、お客様の情報はそのまま新しい機械に 登録された。 そしてその足で花屋へと向かった。 金盞花を花束にしてもらって、メッセージカードの変わりに赤い封筒に隆 史の部屋の鍵を入れた。 「送り先はEDENの隆史様でよろしいですか?」 店員のにこやかな笑顔。 どうせ、ホストに花束を贈る女なんてたくさんいるんだろう。 バイトかな? あなたがラッピングしてる花束の花言葉を知ってるのかしら? 売り物の勉強してから店に入れよと言いたくなるくらい、嫌味な笑顔。 酔えないお酒を大量に飲んだせいで、気分はかなりバッド。 私の失恋なんて知らずに、世間は動く。 今日も、店にはお客さんが来る。 そして私も愛想笑い。 上っ面だけの会話。 こうやって時間が過ぎれば、いつかは隆史を忘れられる日が来るかもしれ ない………。 心の全部を独占していた隆史が急に消えるわけもなくて、だけど幸せだ った私はどこにもいなくて、とても虚ろな気持ち。 流れ作業のように、足が勝手に店へと進む。 ドアを開けて化粧直しして、フロアに出る。 そして、いつもと同じように笑ったり喋ったり………。 和美は同伴なので少し遅れてからの出勤だったけど、来るなり私の顔を 見て、心配そうにうなずいた。 「大丈夫?」 目がそう言ってるような気がする。 お客様に向ける愛想笑いでソレに答えて、仕事を続けた。 気がつくと、閉店時間。 「佳織、今日飲みに行こうな!」 更衣室で帰り支度をしながら、和美は誘ってくれたけれど、そんな気分に はなれない。 「今日はいいや………ごめんね」 「………じゃあ、泊まりにおいでよ。ね?」 和美がすごく心配してくれるのがわかる。 「うん。」 どうせ、どこにいても眠れやしない。 お酒を気が失うまで飲んで、やっと体を休ませるくらいしかできない。 「今日ね、隆史にカギを返したの」 だからもう、心配しなくていいよ、和美。 「………ソレでいいの?」 「もう、付き合うなんて無理だもん」 「………隆史くんと、話し合わなくてもいいの?」 何を話せばいいのかわからない。 まだ、凄く好きで、きっと顔を見たらまたときめいてしまう。 だから、このまま会わない方がいいんだ、きっと。 そう思っているのに………。 「佳織ちゃん、若い男の子が来てるんだけど………」 店の掃除をしていた黒服の服部さんが更衣室に顔をのぞかせた。 「…………」 若い男の子? 「もう閉店だって言ったんだけど、どうしても話がしたいって………」 服部さんは困った顔している。 話がしたいなんて、隆史だろう。きっと。 「わかりました」 うなずいてから、バッグを持って外へ出ようとする私に和美は慌てて着い て来た。 「佳織、会いたくないなら、私が代わりに話聞いてくるけど?」 「………ありがとう。でもいいや、どこかで待っててくれる?すぐに終わ るから」 和美はやっぱり心配そうに私を見ながら肩をポンポンと励ますように叩い て、外へと出た。 ドアが開いた途端に、いつもの隆史の香水プラチナムの香りがフワリと 漂う。 その匂いだけで、ドキドキしてしまう心臓。 目の前にいる隆史をゆっくりと見つめると、余計に鼓動は早くなる。 やっぱり私は隆史が好き。 今でもこんなに大好き。 「昨日はごめん!」 整った唇から紡がれる謝罪。 そんな言葉が聞きたいわけじゃない。 「仕事はどうしたの?」 私の店が終わった時間なんだから、隆史は店で働いてるはずなのに………。 「そんなのより、今は佳織と話す方が大事だった」 いつもみたいに、思わせぶりな言い方。 だけど、そのセリフをもっと早く聞きたかった。 昨日、仕事を放って私を追いかけて欲しかった。 「話って、何?」 隆史はスーツの胸ポケから、私が夕方に花キューピットに頼んだ花束の中 にいれておいた赤い封筒を取り出した。 「これは佳織のモノだ」 「…………」 もう、持っていられない。 受け取らずに、クビを左右に振るだけの私に、隆史は話しを続けた。 「オレも田所を許したわけじゃない。 いつ頃だったかもう覚えてないけど、アイツが店に来て、お互いビックリ したと思う。 その日以来、ずっとオレ指名で来てるから、周りはエースとか言ってるだ けで、オレはそんな風に思っていないよ」 何を聞いても言い訳にしか聞こえない。 「それでも田所が来てたから、私を帰そうとしたじゃん」 アイツを優先したのは隆史だ。 「違う!佳織がアイツの顔を見れば傷つくと思ったんだ。もう2度とアイ ツのせいで佳織につらい思いをさせたくなかったから………」 「隆史は女の子が喜ぶセリフや対応をよく知ってるよね? でも、基本をわかってないよ! 女は好きな人を見れるだけで、声が聞けるだけでうれしいの! ましてや、好きな男のために何かできるなんて幸せなんだよ! あの女は、隆史のために店に通ってることで、幸せを感じてる。ソレが 許せない!! 存在自体許せない女が、間接的にしても隆史によって幸せになるなんて絶 対に許せない!! 隆史が浮気をしても、枕営業しても我慢できたよ、私。 でも、すごく辛かった。 なのに、まだ我慢しなきゃいけないの? あの女が見つめた隆史を見つめなきゃならないの?? もう、限界だよ………」 同じ室内の空気を吸うだけでも許されない女に、営業してる隆史なんて、 1秒も見ていたくない。 「また、アイツのせいで別れるのか? オレは佳織を愛してるのに」 愛してる。 ステキなセリフ。 ドキドキしちゃうよ。 いつも男前だけど、今日は切なさが余計に美しさを際立たせてるのかな? 一段といい男だね。 「私も隆史を愛してるよ。凄く凄く愛してる。だから、許せないの。 どんな裏切りよりも、つらい。 隆史の意志とは無関係だったとしても、アイツを幸せにしている隆史が………」 「………とりあえず、コレは佳織が持ってろよ。使わないなら捨てればいい。 佳織のタメに作ったモノなんだから、返すなよ………」 「………うん。」 隆史の手から、再び私の手に戻ってきた合い鍵。 きっと、私の宝物になるだろう品物。 「オレは佳織と別れるつもりないからな!」 カギを受け取ったのを確認してから、隆史はきっぱりと言い切った。 「え?」 「佳織の気が済むまで、電話を着拒否しててもいい、会わなくてもいい。 でも、お前はいつかオレの元に帰って来るよ」 ………自信満々に言われても、困るよ。 ホントにそうなのかな?って思ってしまう。 「だって、運命の二人だろ?」 ニコリと、営業じゃ見せない本物の隆史の笑顔。 運命の二人。 もしも、ホントにそうなら、再びつき合える日が来るのだろうか? わからないけど、信じてみたい。 また、隆史の隣で笑える日が来る時を。 隆史から受け取ったカギからは、金盞花の匂いが微かにしている。 『別れの悲しみ』を感じさせるように………。 終わり 長い間、読んで頂きありがとうございます_(._.)_ デンジャーボーイの続きみたいなモノだったので、私にはなんだか 超長編って気持ちでした。 独占欲の強い女の子が、ホストを好きになったら大変だろうなって 思いながら書いたんだけど…。 昼にやってるようなドロドロとした内容にしたかったんだけど 難しいです。はい。 最近はほとんど行かなくなったけど、以前はかなりホスト遊びに どっぷり首まではまってた(笑 隆史みたいなナルシーなホストがいれば、是非また通ってみたいです(爆 次回はとりあえずコットンボーイの続きを書きます。 ホントは不倫モノを連載したいんだけど、まだ準備ができてません(笑 ではでは、これからもよろしくお願いします。 一言↓からもらえるとすごいうれしいです(^.^) |