マイ・フェア・ボーイ
マイ・フェア・ボーイ

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1プロローグ 2 遅いけど初恋なんだよ! 3 うれしはずかし初体験 4 どうしようか? 5 大変なんだよ?! 6 好きなんだそれだけ
7 やったね初指名 8 枕営業 9 悪魔がやって来た? 10 二人の行き違い 11 突然の別れ 12初恋は実らない 13エピローグ

●●●
8 枕営業 

 アレ以来大きなケンカもなく、佳織とオレは順調に恋人モード 
満開だった。 
店のホスト達も遠慮してなのか、佳織に対して過剰に接さないようにして 
くれてるようで、佳織は少しソレには不満を抱いた。 
「せっかく楽しみに行ってるのに、ちょっと損した気分」 
腕枕をされながら、焼き餅でも焼かせたいのだろうか? 
「オレがイヤだもん。他のホストが佳織と親しくしてるのって」 
「だって………」 
口を尖らせて佳織はむくれる。 
その姿がまた、愛おしく思える。 
「だってじゃないって!」 
「だって、勇哉くんも最近はめっきり指名も増えてずっと席について 
くれてるわけでもないし、直樹もあんまりいないでしょ? 
じゃあ、ヘルプの子たちと楽しくお喋りするしかないのに」 
うーん、それはそうかも? 
初指名以来、オレはマメに電話やメール攻撃をして、少しづつ指名を増や 
していた。 
指名テーブルが増えるとやっぱり一つ一つのテーブルにつく時間が短くな 
ってしまう。 
その事に対して、他の客と違って佳織は今まで愚痴った事なんかなかった。
 佳織なりに気を遣ってくれてるのだろう。 
でも、それでもやっぱり他のホストと佳織が親しげに笑い会ったりしてる 
のは、見るだけで不愉快な気分になってしまう。 
「なぁ、佳織…」 
ん? 
「なに?」
もう眠いのか、少し遅れてから彼女は返事をする。 
オレは、喉で詰まってる言葉を口にすることを諦めた。 
・・・店に来るのやめない?・・・ 
何度も言いそうになっては、声にならない言葉だった。 
そこまで束縛してもいいのだろうか? 
元々、佳織があの店を紹介してくれたんだし、だいたい佳織は束縛される
のを嫌うんじゃないだろうか? 
 誰にも佳織を会わせたくない。 
百戦錬磨なホストの先輩たちなんて、オレなんかより佳織を楽しませてく
れ るだろうし、そして安心もさせてくれるだろう。 
そんなのイヤだ。 
誰にも佳織を触れさせたくない。 
特に、直樹さんには!! 
「大好きだよ」 
隣に眠る愛しい女のまぶたにキスをした。 
「…ん……」 
彼女は寝返りを打った。 
全然無防備に寝てる。 
かっわいい♪ 
前々から思ってたけど、佳織って終わるとすぐに寝ちゃうんだよな。 
そんなに体力使うんだろうか? 
いや、使うけど…。 
横を向いてしまった佳織をオレの方へと抱き寄せながら、オレはもう一度
その頬にキスをした。 
おやすみ。 
この時間は、誰にも佳織を会わせないでいい。 
独り占めできる、この時間に酔いしれながら、心地よい眠りについた。 


「おはよう」 
みそ汁のいい臭いがする中、オレは目覚めた。 
カウンターキッチンから、佳織が爽やかに笑顔をくれる。 
「もしかして朝飯?」 
「うーん、朝ってよりブランチかな? 
もう2時半だよ」 
いすに座って待っていると、目玉焼きとみそ汁にご飯が手際よくテーブル
に並べられる。 
「これ、佳織が作ったの?」 
「作ったって…みそ汁だって簡単だし、目玉焼きなんて卵焼くだけだよ? 
なんか飲んだ次の日って、やたらとみそ汁が欲しくなるのよ!! 
もしかして、年なのかなぁ?」 
うーん、最高! 
好きな女の手料理! 
コレって男のロマンじゃん♪ 
一口みそ汁を飲むと、結構うまい! 
目玉焼きだって、丁度いい焼き加減だし、佳織って案外料理してる? 
「他にどんなの作れるの?」 
「え?何か食べたいものあるなら、今度作ろうか?」 
うっそ? 
マジで?マジで? 
「何でもいいの? 
オムライスとかハンバーグとか?」 
佳織はにっこり笑った。 
「わかった!ハンバーグはちょっとめんどくさいけど、オムライスならいつ
で もいいよ」 
やった!!! 
「いつ?いつなら作れる?」 
あまりのうれしさにオレはつい、佳織を急かしてしまった。 
「どうする? 
どうせなら、今度の日曜に作ろうか? 
で、勇哉くんが仕事終わったら、部屋に来る! どう?」 
オレは大きくうなずいた。 
来週まですっごい楽しみ。 
「でも、好きなの? ハンバーグとかオムライスとか」 
「うん!」 
あっ。 
もしかして、今、子供だとか思われたんだろうか? 
確かに、どっちもお子様ランチの定番だよな…。 
なんか、もっと違うの言えば良かったかも。。。 
「私と食べ物の趣味似てる!! 
大好きなのよ、両方共。 
男の人って、料理って聞くと肉じゃがとか煮物系言うでしょ? 
まぁ、嫌いじゃないんだけど。ねぇ?」 
肉じゃが! 
なんか聞いたことあるぞ。 
「肉じゃが作れる女は料理上手って」 
佳織は苦笑いした。 
「そうそれ!! 
そんな古いネタでいちいち作れるかって! 
まぁ、お客さんに料理してあげることって滅多にないんだろうけど」 
客に、手料理? 
「そんな事しなくていいって!!」 
「ダメだよ。たまには家庭的な一面とかも見せて、意外性とか狙ったりと
か、顧客管理も大変なんだからぁ」 
そんな事までしなくても。 
と、言いたいけれど、辞めた。 
仕事は仕方がない。 
オレも、いずれは色々とわかってくるだろうけど、水商売ってのはかなり
深く お客様とつき合う仕事だから、それぞれギリギリの範囲で駆け引きを
してたりするものだろう。 
「ごめん!電話してもいいかな?」 
佳織は食器を洗い終わった後、おもむろに携帯を持った。 
「………ああ」 
少し、不愉快だった。 
オレと居る時にわざわざ電話なんかしなくてもいいだろ? 
ああ、言いたいことがたくさんあるのに、なんでこんなに言葉にならない
ん だろう。 
オレはずっとこうやって、我慢し続けるんだろうか? 
「もしもし?佳織です。 
昨日はありがとう、すごい嬉しかったよ!! 
今度会える時まであのバッグ使わないで、待ってるね! 
どうせなら、三島さんにお披露目したいし」 
ああ、何がお披露目だよ。 
客にバッグ貢いでもらったのかよ? 
どうせ、オレには買えないうような、高級品なんだろう? 
「え?ホント?じゃあ、明日早速使えるね!! 
うれしいぃぃ!!じゃあ、5時半に」 
電話を切ると、今度はメールを始めた。 
5時半って、同伴の約束だよな? 
なのに、デートの約束みたいに喜んでる! 
そりゃそれが演技なのか、どうかわからないし、もちろん客にはよろこん 
でる素振りじゃなきゃいけないのも、わかる! 
わかるけど、オレの前でしなくてもいいんじゃないんだろうか? 
「よし!終わった!」  
隣で拗ねているオレにようやく佳織は気づいた。 
「え?ごめん………。 
やっぱ営業電話されるのイヤだよね…」 
わかってるんなら聞くなよ! 
「でも、私も勇哉くんが枕営業しても我慢するから……ダメ? 
どうしてもこのくらいの時間帯じゃないとお客さんに電話できないのよ。 
お昼休みは、その人にも大切な用事とかあったりするでしょ?で、夕方と
おやつ時間くらいが丁度電話するのに、出てもらいやすい時間なの…」 
え? 
オレはちょっとドキリとした。 

枕営業=まぁ、ベッドを共にしてお互いの仲をもっと深めましょう。だか
らオレ を指名してね♪ 

頭の中で、変な図式の辞書が意味を割り出した。 
もちろん、そのまま枕を使って営業するって事なんだけど、それを我慢する? 
オレが客と言っても他の女を抱くのが許せるのか? 
 いや、そりゃ、浮気しちゃったよ、でも今までつき合って来た女って、
たいがい束縛激しいって感じで、他の女からメール入るだけでキレるやつ
もいたりしたのに、それなのに佳織にとって、オレってそれだけの存在? 
「オレは佳織が例えお客だと言っても、他の男と寝るのは許せないよ」 
「ホステスとホストは違うよ!! 
それに、今更枕営業しなくちゃいけない程お客さんに困ってないし。 
でもね、ホストはだめ! 
女の多くは寝ちゃうと情が移るの。だから、指名にもつながるし、
それにソープ とかヘルスとか女にはないでしょ? 
そう言う意味でもホストに通ってる女の子もたくさんいると思う。 
だからホストしてる限り、枕営業ってどうしても通らなきゃならない手段
だと思うの」 
少し目を伏せて、表情を曇らせながら彼女は言った。 
そう、悲しそうに。 
ああ、直樹さんが同じ事言ってた。 
佳織は枕営業してもいいって言ってたけど、オレは絶対にしなかったって。 
そうか、同じなんだ。 
佳織にとって、仕事なら仕方ないんだ。 
イヤでも、我慢するって言ってるんだ。 
「もしね、ソープで働いてる女の子を好きになったら、他の男と寝るな!
なんて 言えないでしょ?
それと同じだよ。 
仕事だから、仕方ないの。 
そんな相手とつき合ってるんだから、それは覚悟しなきゃいけないと思っ
てるよ」 
ああ、そうか。 
オレは軽い気持ちでバイトを始めた。 
もちろん本業は学生だし、今だってどこか真剣さが足りないと自分でも思う。 
でも、佳織はちゃんと仕事をこなしていて、それをわかってるんだ。 
確かに、風俗で働いてる女を彼女にして、客と寝るななんて言えない。 
それは、そいつとつき合う時から覚悟しておくべき問題だから。 
 オレの場合は、つき合いだしてから始めたバイトだけど、佳織は最初に
オレ が働くのを止めなかった。 
 もう、その時から彼女には覚悟があったんだろう。 
「オレが悪かった。 
そうだよな、仕事の電話なら相手の都合に合わせた時間帯にかけるの当た
り前だよな。
 オレ自身新米ホストだから、そこまで気づかなかったよ。 
ホントごめんな」 
オレは佳織を抱きしめた。 
だって、あまりに物わかりのいい彼女は、自分がどれだけ悲しくても、苦
しくても、我慢すると言うんだろうから。 
 オレはホストなんてやめよう。 
もともと、佳織の事を理解したくて始めたバイトだし、こんなに切ない顔
をさせてまで、オレはホストをしたいなんて思わない。 
もう、やめよう。 
確かに、すこし…、いや、かなり楽しかった。 
最近じゃ少しづつだけど、指名してくれるお客様も増えて、オレに会う為
にお金を払ってくれるのが、うれしいとすら思う。 
でも、佳織にこんな顔をされるなら、オレは辞める。 
 オレは佳織が好きだ。 
そっと、腕の中にいる彼女にキスをした。 
佳織は、それに答えるように唇を開く。 
唇を放すと、そっと小さな吐息を漏らす佳織に、オレはさらにキスを重ねる。 
「好きだよ、佳織」 
「…ん、私も……」 
甘く息を弾ませながら、その身体をすべてオレに預ける佳織の胸に手を滑
らせた。 
 すると、少し身体を強ばらせ、起こした。 
「ココじゃいやだって…。 
ベッドに行こう?」 
上目使いでのおねだりをされて、オレはドキドキしながら、言う通りにベ
ッドルームへ向かった。 
いくつも、いくつも佳織の唇に、頬に、キスをしながら、胸元に手を伸ば
した。 
「ん…」 
胸を包み込むようにさわると、佳織の唇から吐息 が漏れる。 
「こんな事、他の女にしてもいいの?」 
「…ん、だっ……て、仕方ない…じゃ………な…あっ」 
佳織はうっとりした顔で、オレを見つめる。 
その顔がドンドンオレを刺激して、もっと感じさせてやりたくなってくる。 
「こんな事も?」 
聞きながら、今まで弄んでいたソコにもキスをした。 
佳織は少し身体をそらせながら、半分だけまぶたを閉じている。 
「あ…ん……うん」 
くっそ! 
イヤだ!って言わせたいのに、全然無理そうじゃん。 
オレのが、いっぱいいっぱいになる! 
佳織のその声や、その仕草。 
オレに感じているそのすべてにオレがどうにかなりそうだ! 




「おれさ、バイト辞めようと思ってるんだ」 
週末間近な木曜日、オレは弘幸たちに打ち明けた。 
「なんで?」 
オレは理由を説明した。 
佳織がつらい思いをしながら我慢すると言った事を、そんな思いをさせる
くらいなら、辞めてしまおうと。 
淳司はオレの話を聞き終わると。 
「でも、それって変だよな」 
「何が?」 
弘幸と二人で、淳司を見てしまった。 
だって、そんな風に言われると予想していなかったから。 
「だって、佳織ちゃんが仕事で他の男と会ったりしてるのを、勇哉は我慢
しなきゃならない
のに、お前は佳織ちゃんにそんな我慢させないってんだろ? 
なんか不公平だ」 
そう言われればそうなんだけど。 
でも、佳織は客と寝たりするわけじゃない。 
そこまではしない。 
それに客層だって、差がある。 
ホストに通う客は若い女の子も多いのに比べて、ホステスに通うのはオヤ
ジが圧倒的だ。 
「いいんだよ。不公平でも」 
弘幸は少し考えながら、口を開いた。 
「なぁ、ソレってやばくない?! 
だって、お前が辞めても佳織ちゃんはルージュに行くだろ?
そしたら、直樹さんがいるんだぜ?」 
え? 
あれ? 
そこまで考えてなかった!!! 
青ざめるオレを見て、淳司は少し怒ったように 
「そんなの、彼氏がいるのにホストに行く女が悪いじゃん! 
行くの辞めさせればいいだけだろ?」 
………。 
なんか、ソレってすごく勝手なような気がする。 
オレが働いてる間や、それ以前は大丈夫だったのを、辞めた途端に行くな
なんて言えないよ………。 
落ち込むオレを弘幸は、さらにどん底まで突き落とした。 
「もし、仮に行くのを禁止したとしても、直樹さんはよろこんで佳織にプ
ライベートで会いに行きそうだよな…」 
弘幸の意見は最もだった。 
直樹さんはずっと佳織を客として見てなんていないから、佳織の来店がな
くなれば、絶対に
プライベートで会おうとするだろう。 
佳織はソレを断れるだろうか? 
いや、佳織が断ったとしても、直樹さんだってそんな簡単に諦めたりしない
だろう。 
かなりやり手っぽいもんな…。 
なんて言ってもNO1だし、駆け引きとか上手そうだもんな。 
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。 
オレはでっかいため息をついた。 
「なんかやっぱり納得できない、おれ。 
だって、勇哉ばっかり我慢してない?」 
淳司は、オレの目をしっかりと覗き込んだ。 
「お前、今までかなり好き勝手してきたと思うよ。でも、今回はその真逆 
じゃん! なんで、そんなに我慢する必要あがるわけ?」 
「………。」 
答えに詰まるオレの代わりに弘幸が答えてくれた。 
「普通だろ?誰かを好きになったら、我慢なんてたくさんしなきゃならな 
いじゃん。 
ただ彼女が学生じゃない分、それが違った形になってるだけだと思うよ。 
それに、今はそんな事を言ってるんじゃなくて、勇哉がバイトを辞めるかど 
うかって、話題だし」 
「だから、それが反対なんだって! 
お前この前まで、バイト楽しいって言ってただろ?ソレをわざわざ女の為に
辞める必要なんてない!」 
いや、揺らいでる気持ちの所へ、そうはっきりと反対されると、かなりオレ
の決心はグラグラ状態。 
弘幸が言った直樹さんの事もあるし、やっぱり辞めるのをやめた方がいいの
だろうか? 
うわぁぁぁ! 
マジ、どうしよう? 
辞めたら、佳織にあんな切ない顔をさせないで、済む。 
でも、でも、そうなるとオレが不安でたまらない!! 
佳織がオレのいないルージュで直樹さんに甘えたり、それ以外のホストに甘
えたりしてるな
んて、想像しただけでも、イライラ満開! 
「とりあえず、辞めるにしてもそうでないにしても、スーツを返しに直樹さ
んに会わなきゃいけないんだろ?」 
「ああ……」 
直樹さんは、ホント優しいと思う。 
ライバルのオレにもスーツを貸してくれたり、面倒を見てくれたりと…。 
でも、やっぱりオレにはライバルで、人間としてはとても好きだし、いい人
だと思うけど、できれば違う形で会いたかったな。 
過去の佳織を知っているだけで、佳織を未だに好きだというだけで、オレは
この人を苦手になってしまう。 



 週末、憂鬱な気持ちでオレはルージュに向かった。 
辞めるかどうかの判断はまだ、迷っている。 
どうしようか………。 
「あれ?今日は早いな」 
店に入るなり、マスターが言った。 
返事をしようとしたが、オレの返事より先に真後ろから声がした。 
「同伴キャンセルになったから」 
オレはびっくりして振り向いた。 
そこには、むかつくほど艶やかな直樹さんがいた。 
 そっか、そうだよな。 
オレがこの時間に出勤ってのは、別にめずらしくもなんでもないし。 
「おはよ、勇哉」 
ニッコリと爽やかに向けられた笑顔に、少し罪悪感を覚えながら、オレは思
い切った。 
「あの、少し話ししてもいいですか?」 
「今から?いいよ。佳織に何か言われた?」 
直樹さんはボックス席の一つに座って、本腰を入れて話しを聞いてくれる勢 
いだった。 
「…枕営業してもいいって……」 
「ああ、そういう時期だもんな。 
で、勇哉はどうするつもりなの?」 
どうもこうも…この人は、オレが店を辞めても佳織に会うだろうか? 
会うよな、やっぱり。 
一縷の望みをかけて、オレは言った。 
「もしも、佳織が店に来なくなったとしたら、どうします?」 
途端に直樹さんはニッコリと意地悪そうに唇だけを動かして笑った。 
「もしかして佳織にホスト通いを禁止するつもりなのか? 
かなり無理があると思うけど、まぁ、もしもそうなったらオレが佳織の店に 
通うとか、方法は色々あるだろうから、何とかして会うよ」 
うわ、ソレって、佳織が直樹さんと会う事を拒んだとしても、絶対的じゃん? 
店に行くなんて発想なかった! 
落ち込むオレを、直樹さんは更にいっそう落ち込ませた。 
「佳織はどれだけ言っても、オレの気持ちを『営業』だと思ってるみたいだ
けど、店に来なくなっても逢いに行けば信じてもらえるかもしれないし、オ
レにとっても佳織のホスト通い禁止はいいかも?!」 
そんなぁぁぁぁ。 
やっぱり、プライベートで会われるよりかは、ルージュで逢ってる方が、絶
対健全だよな? 
うん! 
仕方ない…ホスト通い禁止って言うのはやめた方が良さそうだ。 
後、こんなもやもやした気持ちのままでいるくらいなら、佳織には悪いけ
ど、 ホストも続けようかな? 
枕営業をしなければいいだけだし。 
 よし!枕営業しなくても、たくさん指名のとれるホストを目指してがん
ばるぞ!!





2004-2005©白雪姫-hime-